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腰コラム
2025.11.08
「ぎっくり腰って結局なに?」やってはいけない行動と再発予防を整形外科医が徹底解説!

「ぎっくり腰って結局なに?」やってはいけない行動と再発予防を整形外科医が徹底解説!
 

はじめに

突然腰に激痛が走って動けなくなる――そんな経験はありませんか?

いわゆる「ぎっくり腰(急性腰痛症)」は、一時的な腰のトラブルのように見えて、実は再発を繰り返しやすい症状です。放置すれば慢性化し、日常生活に支障をきたすことも。

この記事では、ぎっくり腰の原因やってはいけない行動治し方、そして再発予防の重要性について、整形外科専門医の視点からわかりやすく解説します。

 

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ぎっくり腰とは?

「ぎっくり腰」とは医学的には急性腰痛症と呼ばれ、腰に突然痛みが走る状態を指します。重い荷物を持ち上げたとき、くしゃみや中腰の姿勢など、些細な動作が引き金になることも。

ヨーロッパでは“魔女の一撃”とも呼ばれ、まさに動けなくなるほどの強烈な痛みが特徴です。

 

ぎっくり腰の原因と特徴

ぎっくり腰(急性腰痛症)は、日常の何気ない動作が引き金となり、突然強い腰の痛みに襲われる症状です。

原因として多いのは「身体機能の低下」

医学的に特定の疾患がなくても、以下のような身体機能の低下が背景にあるケースが非常に多く見られます。

  • 体幹(インナーマッスル)の筋力低下

    腰を支える筋肉が弱くなると、日常のちょっとした動作でも腰に大きな負担がかかります。

  • 股関節や背骨の柔軟性の低下

    可動域が狭くなることで、腰だけに負担が集中しやすくなります。

  • 長時間同じ姿勢を続ける習慣

    デスクワークやスマホ操作などで同じ姿勢が続くと、筋肉が硬くなり、動き始めに痛みを引き起こしやすくなります。

  • 姿勢の崩れや骨盤の歪み

    日常の姿勢や動作のクセによって体のバランスが崩れると、腰に余計なストレスがかかりやすくなります。

  • 睡眠不足やストレスによる筋緊張の増加

    自律神経の乱れによって筋肉の緊張が高まり、ぎっくり腰を引き起こしやすくなります。

 

なぜ「ぎっくり腰」は再発しやすいのか?

ぎっくり腰は、一度なると何度も繰り返しやすいという特徴があります。その背景には、以下の3つのポイントがあります。

  1. 筋肉や靭帯が弱っている部位に再び負担が集中する

  2. 悪い姿勢や身体の使い方といった日常習慣が根本原因になっている

  3. 急性期の痛みだけを治して、予防のアプローチが抜けている

つまり、「治ったのにまた痛くなるのはなぜ?」という疑問の答えは、根本原因が放置されているからです。

だからこそ、再発予防は治療と同じくらい大切なのです。

 

整形外科での治療法

ぎっくり腰の治療は、主に以下のように段階を追って行われます。

急性期(痛みが強い時期)

  • 安静(ただし寝たきりはNG)

  • 消炎鎮痛剤の内服・湿布

  • 腰部コルセットの使用

  • 動作指導(起き上がり方や歩き方の工夫)

 

回復期(動けるようになってから)

  • 再発防止のストレッチ

  • 腰や体幹の筋力トレーニング

  • 姿勢改善の指導

  • 生活動作の見直し

 

🔹 札幌中央整形外科クリニックでは、個々の痛みの状態や筋力・柔軟性を評価したうえで、リハビリスタッフがマンツーマンで運動療法を実施。痛みの緩和だけでなく、“再発しにくい身体づくり”をサポートしています。

 

やってはいけない行動

痛みがある時に避けるべきNG行動も知っておきましょう。

  • 無理に体をひねる

  • 重いものを勢いよく持ち上げる

  • ずっと横になりすぎる

  • 湿布だけで済ませる

  • いつまでも「安静にしていれば治るだろう」と放置

特に自己判断での安静期間の延長は、逆に筋力低下を招く恐れがあります。

 

整形外科で行う検査

  • 問診・触診:痛みの場所や動作の確認、神経症状の確認

  • レントゲン:骨の異常や骨折の有無の確認

  • 必要に応じてMRI検査:神経や椎間板の状態を精査

診察の結果、急性腰痛症と診断した場合には、内服や外用薬の処方、腰部コルセットの処方、運動指導などを行います。

 

 

ぎっくり腰を予防するには?

日常生活で以下を意識することで、再発のリスクを下げることが可能です:

  • 正しい姿勢を意識する(特に長時間のデスクワーク中)

  • 腹筋・背筋・体幹を鍛える

  • 重い物は膝を使って持ち上げる

  • 毎日のストレッチを習慣化する

 

 

まとめ

ぎっくり腰は、一度経験すると何度も繰り返す可能性のある症状です。

痛みが出たときの対処だけでなく、「なぜ再発するのか?」という本質に目を向けることで、根本的な改善が可能になります。

「たかがぎっくり腰」と軽視せず、

✅【正しい診断】

✅【適切な治療】

✅【再発予防のためのリハビリ】

この3本柱で、腰を守る行動を始めましょう。

 

 

author

医学博士亀田 和利

平成12年札幌医科大学卒業後、道内外での病院や海外で臨床・手術の経験を積み、平成28年福住整形外科クリニックを開院。膝関節の治療(PRR療法、再生医療、人工膝関節)を専門としている

[所属]
日本整形外科学会整形外科 専門医、医療経営大学 准教授、人工関節学会、人工関節若手の会、日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医

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