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キャッシュレス対応

「最近、体が重い」
「疲れやすくなった」
「外出が面倒」
──そんな変化を年齢のせいと見過ごしていませんか?
その症状、実は”フレイル“の始まりかもしれません。
フレイルとは、健康な状態と要介護の中間にある“心身の衰え”を意味しますが、正しく対処すれば回復が可能な「可逆的な状態」として注目されています。
本コラムでは、フレイルの定義・症状・原因から予防法・最新の治療法まで、整形外科医の視点でわかりやすく解説します。
「フレイル」は、高齢者に見られる身体的・精神的・社会的機能の低下を総合的に捉える概念で、加齢に伴う筋力低下(サルコペニア)や慢性疾患、孤立、栄養不足などが重なることで進行します。
厚生労働省の2020年度調査によると、65歳以上の約11%がフレイル、プレフレイルを含めると実に約48%が何らかの機能低下を抱えていると推定されています。
また、東京都健康長寿医療センター研究所の報告では、フレイル状態にある高齢者は、今後4年間で要介護リスクが約4倍、死亡リスクが約2倍に上昇するとされています。
こうした統計からも、フレイルは予防と早期介入が鍵を握る重要な健康課題であるといえます。
日本老年医学会が提唱するフレイルチェックは以下の5項目です。
3つ以上当てはまればフレイル、1〜2項目でプレフレイルと判断されます。
・体重減少(意図せず1年で4〜5kg以上減)
・疲れやすさ(以前より回復に時間がかかる)
・歩行速度の低下(通常歩行で1m/1秒以下)
・握力低下(男性<26kg、女性<18kg)
・身体活動量の低下(運動・外出の減少)
さらに、階段を上るのがつらくなった、買い物や洗濯などの家事で息切れする、といった日常の変化もフレイルの兆候として見逃せません。
フレイルの要因は複合的で、以下の3側面が特に重要です。
整形外科の視点では、運動器機能の低下が転倒→骨折→寝たきりというリスクに直結するため、早期からの介入が特に重要とされています。
フレイル予防・改善の鍵は「運動」「栄養」「社会参加」の3本柱です。
・毎日のウォーキング(20〜30分) ・椅子スクワットやかかと上げ運動 ・片足立ちや足首回しなどのバランス訓練 ・体操教室やヨガなどの集団運動参加
・タンパク質を1日体重1kgあたり1.2〜1.5g摂取(例:体重50kgなら60g程度) ・卵、納豆、鶏むね肉、魚、乳製品などを3食に分散して摂取 ・噛みにくさがある場合は、やわらかく調理したり栄養補助食品を活用
・週1回以上の外出や交流の場を持つ ・地域サークルや趣味活動への参加 ・孫との交流やボランティア活動
人とのつながりが心身の活性化につながることは、科学的にも明らかです。
イスからゆっくり立ち上がり、再びゆっくり座る動作を繰り返します。この動きを1日10回程度続けることで、脚や腰回りの筋力が強化され、転倒予防に役立ちます。
壁に背をつけて立ち、肩幅程度に足を広げ、ゆっくり膝を曲げ伸ばしするスクワット運動です。10~15回程度を目安に行うことで、膝や股関節周囲の筋肉が鍛えられます。
立った状態でかかとをゆっくり上げ、つま先立ちになって戻す動作を繰り返します。ふくらはぎの筋肉を鍛えることで、歩行の安定性が増し、転倒リスクが軽減されます。
片足で立つ練習をします。最初は数秒から始め、徐々に立つ時間を延ばしましょう。バランス能力が向上し、転倒予防に効果的です。
これらの運動は、どれも特別な器具なしで取り組めます。「ながら運動」として生活に組み込むことが継続のコツです。
フレイルは、筋力や体力の衰えだけでなく、栄養や人との関わりなど、複数の要素が絡み合って進行する“心と体と社会”の総合的な現象です。
しかし、その多くは早期に気づいて取り組むことで回復が可能です。「最近ちょっと疲れやすい」「出かけるのが億劫」といった小さな変化があったら、それが予防のチャンスです。
当院では、フレイルチェックや運動指導、再生医療との連携による予防プランなどもご提案可能です。まずは今日から、できることから一歩踏み出してみませんか?
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