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肩コラム
2025.06.04
五十肩のつらい痛み、もう我慢しないで!整形外科医が教える正しい治療のポイント

五十肩のつらい痛み、もう我慢しないで!整形外科医が教える正しい治療のポイント
 

肩が痛くて腕が上がらない」「夜中に肩の痛みで目が覚める」 そんな症状に悩んでいませんか?

五十肩(肩関節周囲炎)は、40代以降の多くの方が経験する疾患であり、進行すると日常生活に大きな支障をきたします。

このコラムでは、五十肩の原因・進行・セルフチェック・治療・セルフケアまで、整形外科専門医の視点からわかりやすく解説します。

 

 

 

【五十肩とは?】

五十肩とは、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩の関節包に炎症が起きることで痛みや可動域の制限が生じる疾患です。 50歳前後に発症しやすいため“五十肩”と呼ばれますが、40代や60代でも発症することがあります。

症状としては、

  • 肩が痛くて腕が上がらない
  • 髪を洗う、着替える、背中に手を回す動作が困難
  • 夜間の痛みで眠れない などが特徴です。

 

着替えが大変

 

 

【進行は3段階に分けられます】

  1. 炎症期(初期)

    • 鋭い痛みが特徴。
    • 特に夜間に痛みが強まり、寝返りすら困難になることもあります。
  2. 拘縮期(中期)

    • 痛みは軽減してくるものの、関節が硬くなり動きが制限されます。
    • 日常生活で腕を動かすたびに不便を感じることが増えます。
  3. 回復期(後期)

    • 徐々に可動域が回復。
    • ただし、放置していた場合は可動域が完全に戻らないことも。

 

 

【原因】

五十肩の原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関係しています:

  • 加齢による関節包の変性
  • 日常生活での軽微な負担や外傷
  • 巻き肩・猫背などの不良姿勢

 

五十肩の原因

 

 

【セルフチェック】

自宅でできる簡単な確認方法:

  • 腕を前または横に挙げたときに左右差があるか?

 

腕を横にあげる

 

 

  • 背中に手が回せない(肩甲骨の高さまで届かない)

 

 

腕を後ろにまわす

 

 

  • 夜間痛や寝返りで目が覚める

夜に目が覚める

 

 

※似たような症状を持つ疾患(腱板断裂、石灰沈着性腱板炎、神経痛など)もあるため、正確な診断は医師にご相談ください。

 

 

 

 

【治療法(進行段階別)】

炎症期(初期)

  • 安静と負担動作の回避
  • アイシングや湿布、鎮痛薬(NSAIDs)の使用
  • 夜間の痛み軽減のためのポジショニング(タオルで肩を支えるなど)
  • ヒアルロン酸注射や必要に応じて関節内ステロイド注射(即効性があり炎症期に有効)

 

肩の注射

 

 

拘縮期(中期)

  • 振り子運動(コッドマン体操)、テーブルワイピング、タオルストレッチなどのリハビリを開始
  • PRP療法(自己多血小板血漿注入)による組織修復も選択肢のひとつ(当院でも行っています)

 

タオルストレッチ

肩の運動

 

 

回復期(後期)

  • ストレッチや運動療法を継続的に行う
  • 仕事や趣味など日常生活への段階的な復帰を目指す

 

ストレッチの継続

 

 

 

手術療法(まれなケース)

  • 保存療法でも著しい拘縮や癒着が改善しない重症例に限り行われます
  • 関節鏡視下授動術などの手術が検討されます
  • 多くの場合は保存療法で改善するため、手術に至るのは稀です

 

 

【まとめ】

五十肩は自然と良くなる方もいますが、進行すれば長期間痛みが続いたり、関節可動域が回復しきらないこともあります。

特に痛みが強い場合や日常生活に支障が出ている場合は、自己判断せず整形外科を受診し、専門的な評価と治療を受けることが重要です。

当院では保険を使用した治療からPRP療法まで幅広く対応し、段階別のリハビリ・生活指導を行っております。 早期対応で快適な日常を取り戻しましょう。

 

 

author

医学博士亀田 和利

平成12年札幌医科大学卒業後、道内外での病院や海外で臨床・手術の経験を積み、平成28年福住整形外科クリニックを開院。膝関節の治療(PRR療法、再生医療、人工膝関節)を専門としている

[所属]
日本整形外科学会整形外科 専門医、医療経営大学 准教授、人工関節学会、人工関節若手の会、日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医

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