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肘コラム
2025.06.02
肘の外側が痛い…そのまま放置は危険!テニス肘の原因と最新治療法とは?

肘の外側が痛い…そのまま放置は危険!テニス肘の原因と最新治療法とは?
 

【はじめに】

「肘の外側の痛みがなかなか治らない…」そんな症状を放置していませんか? それ、もしかすると“テニス肘”かもしれません。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、実際にはテニスなどのスポーツ経験がなくても、日常生活や仕事での腕の使いすぎによって発症することがあります。そして、適切な対処をしないまま放置してしまうと、炎症が慢性化し、最悪の場合は手術が必要になるケースも。

今回は、「テニスをしていないのに発症する肘の痛み」について、特に“放置した場合のリスク”に焦点を当てて、整形外科的な視点から詳しく解説していきます。

 

 

 

 

【テニス肘とは?】

テニス肘(正式名称:上腕骨外側上顆炎)とは、肘の外側にある腱(伸筋腱)に繰り返し負荷がかかることで、炎症や微小な断裂が生じる疾患です。

スポーツだけでなく、以下のような動作でも発症する可能性があります:

  • パソコン作業や書き仕事
  • 家事(特に雑巾しぼり、包丁作業)
  • 荷物の上げ下げや抱っこ
  • 美容師・調理師・製造業などの職業性負荷

 

料理をする人

 

 

 

【なぜ放置してはいけないのか?】

痛みを我慢して使い続けると、炎症が慢性化して腱が変性・断裂するリスクが高まります。
進行すると以下のような問題が生じることがあります:

  • ペットボトルの蓋を開けられない
  • 手首を動かすだけで激痛
  • 夜間痛で眠れない
  • 腱が断裂し、保存療法が効かず手術適応になる

放置すればするほど、治癒に時間がかかり、痛みの慢性化や再発のリスクも高くなります。

 

 

ペットボトルのキャップ

 

 

 

【整形外科での検査・診断】

  • 徒手検査(Thomsenテスト、Chairテスト)
  • 超音波(エコー)検査で腱の損傷や炎症の有無を確認
  • レントゲン検査や必要に応じてMRIで他疾患との鑑別や重症度を評価

早期診断により、最適な治療法の選択が可能になります。

 

 

 

【治療法】

◎保存療法(初期~中等度)

  • 安静と負担動作の制限
  • アイシング、湿布、鎮痛薬
  • 物理療法(超音波、低周波)
  • サポーター・エルボーバンド
  • ストレッチ・リハビリ指導
  • ステロイド注射やPRP療法(症例による)

当院では、なかなか改善しないテニス肘に対して、PRP療法(自己多血小板血漿注入)も行っております。
自然治癒力を活かした再生医療で、手術に頼らず改善を目指す選択肢のひとつです。

 

◎手術療法(保存療法で改善しない重度のケース)

  • 腱の一部切除や修復、神経除圧術など
  • 術後のリハビリ期間が必要

ただし、手術が必要となるケースはごく一部で、多くの方は保存療法で症状の改善が見込めます。
手術をしないと治らないというわけではありませんので、まずは専門医に相談し、最適な治療法を選ぶことが重要です。

 

 

【手術を回避するために重要なこと】

  • 日常生活に困る痛みがあれば整形外科を受診する
  • 無理して使わず、安静にする
  • 正しいリハビリ・生活指導を受ける
  • 早期から保存療法(物理療法、注射)を取り入れる

 

 

 

 

当院の公式YouTubeチャンネルでもテニス肘の方におすすめ!マッサージなどを紹介しています。

 

 

 

【まとめ】

テニス肘は、決してスポーツ選手だけの病気ではありません。 日常生活の中の“何気ない動作の繰り返し”が、知らぬ間に腱へ負担をかけています。そして、軽い痛みを我慢して放置すると、やがて慢性化し、治りにくい「手術が必要な状態」へと進行することもあるのです。

ただし、手術が必須になる例はまれで、多くの場合は保存療法で十分に対応可能です。大切なのは、早く気づき、早く対処すること。 肘の違和感や痛みを感じたら、ぜひお早めに整形外科へご相談ください。

author

医学博士亀田 和利

平成12年札幌医科大学卒業後、道内外での病院や海外で臨床・手術の経験を積み、平成28年福住整形外科クリニックを開院。膝関節の治療(PRR療法、再生医療、人工膝関節)を専門としている

[所属]
日本整形外科学会整形外科 専門医、医療経営大学 准教授、人工関節学会、人工関節若手の会、日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医

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