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2025.06.17
整形外科の専門医が教える!「手首の痛み」「手首の小指側の痛み」TFCC損傷の原因と治療法

整形外科の専門医が教える!「手首の痛み」「手首の小指側の痛み」TFCC損傷の原因と治療法
 

手首の痛み、とくに小指側に痛みを感じる場合、「TFCC損傷三角線維軟骨複合体損傷)」の可能性があります。

スマホの使いすぎやスポーツ、家事や育児など、日常生活の中でも手首には大きな負担がかかっており、知らず知らずのうちにTFCCにダメージが蓄積していることも少なくありません。

 

この記事では、整形外科の専門医が「TFCC損傷」の原因や症状、検査方法、治療法についてわかりやすく解説します。

手首の小指側の違和感や痛みでお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

 

 

 

 

【 TFCC損傷とは?】

TFCCとは「Triangular Fibrocartilage Complex(三角線維軟骨複合体)」の略で、手首の小指側にある軟骨や靭帯の複合組織です。
手首の安定性や回旋運動を支える重要な役割を果たしています。

 

TFCC損傷とは、この複合体が部分的または完全に損傷する状態を指し、最近ではスマホ操作やデスクワークによる長時間の手首使用でも発症するケースが増えています。

軽い痛みだからと無理をしてしまうと、症状が長引いてしまうこともあります。

 

 

【TFCC損傷の主な原因】

 

■ 急性の外傷

  • 転倒して手をついた衝撃

  • スポーツ中の激しい動作

  • 引っ越しなどで重いものを持ったとき

 

■ 慢性的な負担や加齢

  • 長時間のスマホ・パソコン操作

  • 重い荷物を持つ家事・育児

  • 加齢による軟骨の摩耗

  • テニスやバトミントンなど同じ動作の繰り返し
  • 関節リウマチなどの基礎疾患

 

【TFCC損傷の症状とチェックポイント】

次のような症状があれば、TFCC損傷の可能性があります。

  • 小指側の手首の痛み、押すと痛みを感じる

  • 手をつくときに痛みを感じる
  • 手首を回すと痛い(ドアノブを回す動作など)

  • 重いものを持つときの違和感

  • 手に力が入らない

  • 関節のクリック音や引っかかり感

 

 

【診断方法と検査】

  • 整形外科での問診と触診

  • 専門的な徒手検査(TFCCストレステスト)

  • 画像診断(レントゲン検査やMRI検査)

 

 

【TFCC損傷の治療法】

TFCC損傷の治療は、症状の程度に応じて以下のように分けられます。

 

■ 保存療法(軽度〜中等度)

  • 手首の安静(サポーターやテーピングの使用

    手首にかかる負荷を減らすために、固定具を用いて関節を安定させます。動かすことで痛みや炎症が悪化するのを防ぎます。

  • 消炎鎮痛剤の内服や外用

    炎症や痛みが強い場合、飲み薬や湿布などで炎症を抑える治療を行います。市販薬でも効果が見込めることがありますが、症状が強い場合は処方薬を使用します。

  • ステロイド注射

    関節内や周囲に直接ステロイドを注射することで、炎症を一時的に強力に抑える治療法です。短期間で痛みを緩和したい場合に用いられます。

  • PRP療法

    患者さまご自身の血液から抽出した血小板を高濃度に濃縮し、患部に注射する再生医療の一種です。血小板には成長因子が豊富に含まれており、損傷部位の修復を促進し、痛みや炎症の軽減が期待されます。

 

 

■ 手術療法(症状が重度な場合や保存療法で改善しない場合)

  • 関節鏡を用いた部分切除または縫合

    関節鏡(内視鏡)を使用することで、皮膚の切開を最小限に抑えながら、損傷したTFCC部分を切除または縫い合わせる手術です。
    低侵襲で回復も比較的早く、正確な処置が可能です。

 

 

【再発予防と日常生活での注意点】

TFCC損傷は再発しやすいため、以下のような予防策が大切です。

  • 長時間のスマホ使用は控える

  • マウスやキーボードの高さを調整する

  • 手首のサポーターを活用する

  • 重い物を持ち上げる際は姿勢に注意する

  • 痛みが続く場合は早めに整形外科を受診する

 

【まとめ】

手首の小指側に痛みを感じたら、我慢せずに早期受診を検討しましょう。
TFCC損傷は放置すると慢性化する恐れもありますが、正確な診断と適切な治療で多くの場合改善が見込めます。
整形外科専門医の診察を受け、再発予防にも努めましょう。

 

札幌中央整形外科クリニックでは、TFCC損傷をはじめとした手首の痛みに専門的に対応しています。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

 

 

author

医学博士亀田 和利

平成12年札幌医科大学卒業後、道内外での病院や海外で臨床・手術の経験を積み、平成28年福住整形外科クリニックを開院。膝関節の治療(PRR療法、再生医療、人工膝関節)を専門としている

[所属]
日本整形外科学会整形外科 専門医、医療経営大学 准教授、人工関節学会、人工関節若手の会、日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医

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