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足コラム
2026.09.07
スポーツをする子どもの足が痛い原因は?シーバー病・有痛性外脛骨とインソールについて整形外科医が解説

スポーツをする子どもの足が痛い原因は?シーバー病・有痛性外脛骨とインソールについて整形外科医が解説
 

「サッカーの練習が終わるとかかとが痛いと言う」

「走ったあとに足の内側を痛がる」

「休むと良くなるけれど、スポーツをするとまた痛くなる」

スポーツをしているお子さんから、このような訴えを聞いたことはありませんか?

成長期の子どもは骨や筋肉が発達途中にあり、さらにスポーツによって走る・ジャンプする・切り返すといった動作を繰り返すことで、足に負担が集中することがあります。

「成長期だから仕方ない」

「そのうち治るだろう」

と考えてしまいがちですが、シーバー病(踵骨骨端症)や有痛性外脛骨など、成長期に起こりやすいスポーツ障害が隠れていることもあります。 

この記事では、スポーツをする子どもに起こる足の痛みの原因や、シーバー病・有痛性外脛骨、そして治療の選択肢の一つとなるインソール(足底板)について整形外科医が解説します。

スポーツをしている子どもが「足が痛い」と言ったら

子どもの足の痛みでは、まず「どこが痛いのか」を確認してみましょう。

例えば、

  • かかと:シーバー病(踵骨骨端症)など
  • 足の内側:有痛性外脛骨など
  • 土踏まず・足裏:扁平足や足部への繰り返しの負担など
  • 足の外側:腱の障害や疲労骨折など
  • 足首周辺:捻挫・靭帯損傷など、

ただし、痛む場所だけで病気を判断することはできません。

スポーツの種類、痛みが出たきっかけ、練習量、足の形、腫れの有無などによって原因は異なります。

また、子どもは自分の痛みをうまく説明できないこともあります。

「どこが痛い?」と聞くだけではなく、

  • 走ると痛いのか
  • ジャンプすると痛いのか
  • 練習が終わったあとに痛いのか
  • 普通に歩いていても痛いのか
  • 朝起きたときにも痛いのか

など、「どんなときに痛むのか」も確認してみましょう。

子どもの「かかとが痛い」|シーバー病とは?

スポーツをする子どものかかとの痛みで知っておきたいのが、シーバー病(Sever病/踵骨骨端症)です。

シーバー病は、成長期の子どものかかとに起こる代表的なスポーツ障害の一つです。

成長期のかかとの骨には、骨の成長に関わる部分があります。

走る・ジャンプするなどの動作を繰り返すことで、かかとに付着しているアキレス腱や足底筋膜などから繰り返し力が加わり、痛みが生じます。

そのため、

  • サッカー
  • バスケットボール
  • 陸上
  • バレーボール
  • ダンス

など、走る・ジャンプする動作の多いスポーツをしている子どもでは特に注意したい疾患です。

シーバー病ではどんな症状が出る?

代表的なのは、

  • 運動後にかかとが痛い
  • 走るとかかとが痛い
  • 朝起きたときにかかとが痛い
  • かかとを押すと痛い
  • 痛みを避けるため、かかとをつけずにつま先で歩く
  • 休むと良くなるが、スポーツをするとまた痛くなる

といった症状です。

急激な強い痛みというより、運動を続けるうちに慢性的な痛みとして現れることがあります。

そのため、子ども本人も、

「ちょっと痛いだけ」

「普通に歩けているから大丈夫そう」

と我慢してスポーツを続けてしまうことがあります。

シーバー病はなぜスポーツをする子どもに起こりやすい?

子どもの骨は、大人の骨をそのまま小さくしたものではありません。

成長途中の骨には、まだ発達途中の部分があります。

かかとの骨(踵骨)も成長途中にあり、そこへスポーツによる負荷が繰り返し加わることで痛みにつながります。

特に、

  • ランニング
  • ジャンプ
  • ダッシュ
  • 急なストップ
  • 切り返し

といった動作では、かかとに繰り返し負担がかかります。

また、

「最近、練習日が増えた」

「大会前で練習量が増えた」

「急に走り込みを始めた」

といった運動量の変化が、痛みが出るきっかけになることもあります。

さらに、ふくらはぎやアキレス腱の柔軟性、足の形、靴なども確認することがあります。

「なぜ痛くなったのか」を考えるときには、痛いかかとだけではなく、身体の状態やスポーツ環境まで含めて考えることが大切です。

シーバー病はどのくらいで治る?

「どのくらい休めば治りますか?」

これは保護者の方が特に気になるところだと思います。

シーバー病が改善するまでの期間は、痛みの程度やスポーツの種類、練習量などによって異なるため、「○週間で必ず治る」と一律に言うことはできません。

負担を調整することで比較的早く症状が落ち着く子もいれば、スポーツを続けながら痛みを繰り返し、長引くこともあります。

また、

「痛くなくなったから、明日から元の練習量に戻そう」

と急激に負荷を戻すと、再び痛みが出ることがあります。

単純に「何日休んだか」だけではなく、

歩く・走る・ジャンプするといった動作で痛みが出ないかを確認しながら、徐々にスポーツへ復帰していくことが大切です。

シーバー病になったらスポーツは休むべき?

「シーバー病になったら、スポーツを完全に休まなければいけないの?」

と心配される保護者の方もいると思います。

運動をどの程度制限するかは、痛みの強さや競技、症状によって異なります。

例えば、

  • 普通に歩いていても痛い
  • 走ると強く痛む
  • 痛みをかばって走り方が変わっている
  • 練習後に強い痛みが残る

といった場合には、運動量を減らしたり、一時的にスポーツを休止したりすることが必要になる場合があります。

一方で、状態によっては運動内容や負荷を調整しながら経過を見ることもあります。

大切なのは、「休む・休まない」の二択ではなく、その子の状態に合わせてスポーツの負荷を調整することです。

痛みを我慢して練習を続けるのではなく、安全にスポーツへ戻れる状態を目指しましょう。

足の内側が痛い|有痛性外脛骨にも注意

もう一つ、スポーツをする成長期の子どもで知っておきたいのが有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)です。

外脛骨とは、足の内側に存在する「本来はない余分な骨」の一つです。

外脛骨があること自体は病気ではなく、外脛骨があっても痛みがなく生活している人もいます。

しかし、スポーツによる繰り返しの負担や捻挫、靴による圧迫などをきっかけとして外脛骨周辺に痛みが出ることがあり、これを有痛性外脛骨といいます。

有痛性外脛骨ではどんな症状が出る?

有痛性外脛骨では、足の内側、土踏まずより少し上にある骨の出っ張り周辺に痛みが出ます。

例えば、

  • 走ると足の内側が痛い
  • 練習後に足の内側を痛がる
  • ジャンプや切り返しで痛む
  • 骨の出っ張った部分を押すと痛い
  • 靴やスパイクが当たると痛い
  • 運動すると痛いが、休むと楽になる

といった症状がみられることがあります。

特に、

「足の内側に骨が出っ張っている」

「そこにスパイクが当たって痛い」

という場合は、外脛骨が痛みの原因となっている可能性があります。

外脛骨が左右両方にあっても、必ず両方が痛くなるわけではなく、片側だけ症状が出ることもあります。

有痛性外脛骨はなぜスポーツをすると痛くなる?

外脛骨の周辺には、後脛骨筋腱(こうけいこつきんけん)という腱があります。

名前だけ聞くと難しく感じますが、後脛骨筋腱は足のアーチを支える働きに関係する重要な腱です。

スポーツでは、

  • 走る
  • ジャンプする
  • 踏み込む
  • 急に止まる
  • 方向転換する

といった動作を何度も繰り返します。

こうした動作によって外脛骨周辺に繰り返し負担が加わり、痛みにつながることがあります。

また、外脛骨は足の内側に出っ張っているため、靴やスパイクが繰り返し当たることが痛みのきっかけになる場合もあります。

そのため、有痛性外脛骨を診る際には、足だけではなく、普段履いている靴や競技で使用するシューズについて確認することも重要です。

扁平足と有痛性外脛骨は関係する?

有痛性外脛骨のある子どもでは、扁平足や、立ったときに足が内側へ倒れ込むような足の特徴がみられることがあります。

足のアーチが低下した状態では、アーチを支える後脛骨筋腱などに負担がかかり、外脛骨周辺の痛みに影響している場合があります。

そのため整形外科では、出っ張っている骨だけを見るのではなく、

  • 土踏まずの状態
  • 立ったときの足の形
  • かかとの向き
  • 足首の動き
  • 歩き方
  • 靴の状態

なども確認します。

そして、足の形や負担のかかり方が症状に関係していると考えられる場合には、インソール(足底板)によって足をサポートすることが治療の選択肢となることがあります。

子どもの足の痛みでは「足のアーチ」も確認します

シーバー病や有痛性外脛骨に限らず、子どもの足の痛みを診るときには、痛い場所だけを見るのではなく、足全体の状態を確認することも重要です。

例えば、

  • 土踏まずの状態
  • 立っている時の足の向き
  • 足首の動き
  • ふくらはぎの柔軟性
  • 靴のサイズや形
  • 歩き方・走り方
  • スポーツの練習量

なども、足にかかる負担を考えるための手がかりになります。

「痛いところに湿布を貼って終わり」ではなく、なぜそこに負担が集中しているのかを考えることが、繰り返す足の痛みでは重要になります。

そこで、足の状態によって治療の選択肢となるのがインソール(足底板)です。

子どもの足の痛みにインソールが使われることがあります

インソールというと、

「靴の中に入れるクッション」

というイメージがあるかもしれません。

しかし、医療機関で使用する足底板では、症状や足の状態に合わせて、足にかかる負担やアーチなどを考慮して調整することがあります。

例えば、

  • シーバー病
  • 有痛性外脛骨
  • 扁平足

などで、足の状態によってインソールが治療の選択肢となることがあります。

ただし、ここで重要なのは、

足が痛い子ども全員にインソールが必要なわけではない

ということです。

まず痛みの原因を確認し、その子の足の状態やスポーツ活動などを評価したうえで、必要性を判断します。

市販のインソールと医療用インソールは何が違う?

スポーツ用品店などにも、子ども用のインソールはたくさん販売されています。

市販のインソールにも、

  • クッション性を高める
  • 靴のフィット感を調整する
  • アーチをサポートする

など、さまざまな目的の商品があります。

一方、医療機関で作製する足底板は、医師による診察などをもとに、その子の症状や足の状態に合わせて作製・調整するところが大きな違いです。

そのため、

「スポーツをしているから、とりあえずインソールを入れる」

のではなく、

なぜ痛いのか → 足にどのような特徴があるのか → インソールが必要なのか

という順番で考えることが大切です。

インソールを入れればスポーツを続けても大丈夫?

保護者の方からすると、ここが特に気になるところだと思います。

結論としては、

インソールを使用しているからといって、痛みを我慢してスポーツを続けてよいわけではありません。

例えば有痛性外脛骨では、痛みのある時期には運動を休んで足を休ませ、ストレッチや筋力強化、靴の調整、必要に応じて足底板などを組み合わせます。

シーバー病も同様に、症状の程度によって運動量を調整する必要があります。

大切なのは、

「できるだけ休ませないこと」ではなく、「安全にスポーツへ戻ること」

です。

痛みの程度や原因を確認しながら、運動量や復帰時期を考えていきます。

子どものインソールについてよくある質問

Q.シーバー病なら必ずインソールを作った方がいい?

必ず必要というわけではありません。

運動量の調整やストレッチ、靴の見直しなどで対応する場合もあります。

症状や足の状態を評価したうえで、必要に応じてインソールを検討します。

Q.痛みがなくてもスポーツ障害予防のために作った方がいい?

スポーツをしているという理由だけで、すべての子どもに医療用インソールが必要とは限りません。

痛みや足の状態、スポーツの種類などを踏まえて考えることが大切です。

Q.市販のインソールを使っても大丈夫?

市販品にもさまざまなものがあるため、一概に良い・悪いとは言えません。

ただし、すでに足に痛みがある場合は、インソールだけで対処する前に「なぜ痛いのか」を確認することをおすすめします。

Q.成長して足のサイズが変わったら?

成長期は足のサイズや形も変化します。

そのため、インソールだけではなく、靴のサイズやフィット感も定期的に確認することが大切です。

Q.サッカーのスパイクにもインソールを入れられる?

使用できるかどうかは、インソールの厚みやスパイク内部のスペースなどによって異なります。

競技用シューズの場合も、足だけではなく実際に使用する靴との適合を確認することが重要です。

こんな足の痛みがある場合は整形外科へ

子どもは痛みをうまく説明できないこともあります。

特に、

  • 数日休んでも痛みが続いている
  • スポーツをするたびに痛みを繰り返す
  • 歩くだけでも痛い
  • 足を引きずっている
  • かかとをつけずにつま先で歩いている
  • 腫れや赤みがある
  • 押すと強く痛がる
  • 捻挫などのケガをしてから痛みが続いている

といった場合には、一度整形外科で相談することをおすすめします。

シーバー病についても、痛みが続く場合、繰り返す場合、軽度でも腫れがある場合には整形外科の受診が勧められています。また、骨折など別の病気を除外することも重要です。

札幌中央整形外科クリニックでは子どもの足の痛みもご相談ください

スポーツを頑張っている子どもにとって、

「痛いけれど練習を休みたくない」

という気持ちは珍しくありません。

だからこそ、単に痛みを我慢するのではなく、まずはなぜ痛みが出ているのかを確認することが大切です。

札幌中央整形外科クリニックでは、診察や必要な検査を行い、症状に応じてリハビリテーションなどを組み合わせて治療を行います。

また、足の状態や症状によっては医療用インソール(足底板)も治療の選択肢となります。

インソールを作ること自体を目的にするのではなく、

痛みの原因を知る → 足や身体の状態を確認する → 必要な治療を行う → スポーツへの復帰を目指す

という流れで考えていきましょう。

「最近、練習後に足を痛がるようになった」

「成長痛だと思っていたけれど、なかなか治らない」

という場合も、お気軽にご相談ください。

 

 ▶ 札幌中央整形外科クリニックの医療用インソールについて詳しく見る

まとめ|子どもの足の痛みを「成長期だから」で終わらせない

スポーツをする成長期の子どもでは、シーバー病や有痛性外脛骨などによって足の痛みが起こることがあります。

大切なのは、まず原因を確認し、運動量の調整、リハビリ、靴の見直しなどを行い、その子の足の状態に応じてインソールも選択肢として考えていきます。

子どもが長くスポーツを楽しむためにも、繰り返す足の痛みを放置せず、早めに原因を確認しましょう。

author

医学博士亀田 和利

平成12年札幌医科大学卒業後、道内外での病院や海外で臨床・手術の経験を積み、平成28年福住整形外科クリニックを開院。膝関節の治療(PRR療法、再生医療、人工膝関節)を専門としている

[所属]
日本整形外科学会整形外科 専門医、医療経営大学 准教授、人工関節学会、人工関節若手の会、日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医

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