「肘が痛くて物を持つのがつらい」
「肘の外側や内側の痛みがなかなか治らない」
「肘の後ろが腫れて、ぶよぶよとしている」
このような肘の症状でお悩みではありませんか?
肘は、仕事や家事、スポーツなど日常生活のさまざまな場面で使う関節です。そのため、知らないうちに負担が蓄積し、痛みが長引いてしまうことがあります。
肘が痛む原因は一つではありませんが、「どこが痛いのか」「どのような動作で痛むのか」「腫れがあるのか」などが、原因を考える重要な手がかりになります。
代表的なものとして、肘の外側では「テニス肘」、内側では「ゴルフ肘」、肘の後ろが腫れる場合には「肘頭滑液包炎」などがあります。
この記事では、肘の痛みでよくみられる3つの疾患を中心に、症状・原因・治療方法、そして整形外科を受診した方がよい症状について分かりやすく解説します。
肘が痛い原因は?痛む場所が診断の手がかりになります
「肘が痛い」といっても、実際に痛みを感じる場所は人によって異なります。
代表的には、
- 肘の外側が痛い → テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
- 肘の内側が痛い → ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
- 肘の後ろが腫れる・水がたまる → 肘頭滑液包炎
などが考えられます。

ただし、「痛む場所だけで病気が決まる」わけではありません。
肘の痛みには、関節炎、変形性肘関節症、神経の障害、靱帯損傷、骨折など、ほかにもさまざまな原因があります。
痛む場所に加えて、発症したきっかけや痛みが出る動作、腫れ、しびれ、肘の動かしにくさなどを確認し、必要に応じて画像検査を行うことが大切です。
それでは、代表的な3つの疾患を詳しくみていきましょう。
肘の外側が痛い|テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
肘の外側に痛みがある場合、代表的な原因の一つがテニス肘(上腕骨外側上顆炎)です。
テニス肘は、手首を反らす筋肉につながる腱の付着部に繰り返し負担がかかることで、痛みが生じる疾患です。
「テニス肘」という名前ですが、テニスをしていない方にも起こります。
こんな動作で痛みやすい
- 荷物を持ち上げる
- ペットボトルやコップを持つ
- タオルや雑巾を絞る
- ドアノブを回す
- パソコンやマウスを長時間使用する
- 包丁などを使って調理する
特に、肘を伸ばした状態で物を持ち上げたときに肘の外側が痛むのが特徴の一つです。

テニス肘の治療
まずは痛みの原因となっている動作を見直し、肘への負担を減らすことが重要です。
症状に応じて、
- 負担のかかる動作を控える
- 湿布や鎮痛薬
- エルボーバンドなどの装具
- ストレッチ・リハビリテーション
- 注射
などを行います。
症状が長引いている場合には、状態に応じて体外衝撃波治療やPRP療法などを検討することもあります。
すべての患者さんに同じ治療が適しているわけではないため、症状や経過を確認したうえで治療方法を選択することが大切です。
肘の内側が痛い|ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
肘の内側が痛む場合には、ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)が考えられます。
テニス肘が肘の「外側」に痛みを生じるのに対し、ゴルフ肘では「内側」に痛みが生じるのが特徴です。
こちらも名前に「ゴルフ」とありますが、ゴルフをしている方だけに起こる病気ではありません。
手首を曲げたり、前腕をひねったりする動作を繰り返すことで、肘の内側に付着する腱に負担がかかり、痛みが生じます。
こんなときに痛むことがあります
- 重い物を持つ
- 手首を曲げる
- タオルを絞る
- ゴルフクラブやラケットを振る
- 手や腕を繰り返し使う仕事をする
症状が軽いうちは、負担となっている動作を減らすことで改善することもあります。
治療では、湿布や鎮痛薬、ストレッチ、リハビリなどの保存療法が基本となります。
肘の後ろが腫れている・水がたまる|肘頭滑液包炎
「肘をぶつけた覚えがないのに、肘の後ろがぷっくり腫れてきた」
このような場合に考えられるのが、肘頭滑液包炎(ちゅうとうかつえきほうえん)です。

肘の先端には、皮膚と骨の摩擦を減らすための「滑液包」という袋状の組織があります。
この滑液包に炎症が起こり、液体がたまることで、肘の後ろがぷっくりと腫れることがあります。
肘頭滑液包炎の主な原因
- 長時間、机などに肘をつく
- 肘への繰り返しの刺激
- 転倒や打撲
- 細菌感染
- 痛風など

肘頭滑液包炎では、腫れていてもそれほど痛みを感じないことがあります。
一方で、赤く腫れている、熱を持っている、強く痛む、発熱を伴うといった場合には、感染性の滑液包炎なども考える必要があります。
このような場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関を受診してください。
肘にたまった水は抜いた方がいい?
「肘に水がたまったら、すぐに抜いた方がいいですか?」という質問もありますが、必ずしもすべてのケースで水を抜くわけではありません。
原因や腫れの程度、感染の可能性などを確認したうえで、必要に応じて穿刺して液体を抜くことがあります。
感染が疑われる場合には、抗菌薬などによる治療が必要になることもあります。
肘が痛いときは何科を受診する?
肘の痛みや腫れで受診先に迷った場合は、まず整形外科への受診をおすすめします。
整形外科では、診察に加えて必要に応じてレントゲンやエコー(超音波)などを行い、
など、どこに問題があるのかを評価します。
「ただの使いすぎだろう」と思っていた症状に、別の病気が隠れていることもあります。

肘の痛みが治らない……どのくらいで受診した方がいい?
軽い痛みであれば、負担を減らすことで改善することもあります。
ただし、次のような場合には整形外科を受診しましょう。
- 痛みが続いている、または徐々に悪化している
- 日常生活や仕事に支障が出ている
- 腕に力が入りにくい
- 肘を十分に曲げ伸ばしできない
- しびれを伴う
- 転倒や外傷のあとから強く痛む
- 肘が大きく腫れている
- 赤みや熱感、発熱がある
特に急激な腫れ、強い痛み、発熱、外傷後に肘を動かせないなどの症状がある場合は、早めの受診が必要です。
自宅でできるセルフケア|マッサージを動画で紹介
肘の痛みでは、肘だけでなく前腕の筋肉に繰り返し負担がかかっていることがあります。
札幌中央整形外科クリニックのYouTubeでは、ご自宅で取り組めるマッサージ方法を動画で分かりやすく紹介しています。痛みのない範囲で、日々のセルフケアとして参考にしてみてください。
※強い痛みや腫れがある場合、マッサージによって痛みが悪化する場合は無理に行わず、整形外科へご相談ください。
札幌中央整形外科クリニックで行う肘の痛みの診療
札幌中央整形外科クリニックでは、肘の痛みに対して症状や発症した経緯を確認し、必要に応じてレントゲン検査やエコー(超音波)検査などを組み合わせながら原因を評価します。
治療では、薬物療法やリハビリテーションなどの保存療法を基本としながら、一人ひとりの状態に合わせて治療方法を検討します。
また、テニス肘など一部の疾患では、通常の保存療法を行っても痛みが長引く場合に、体外衝撃波治療やPRP療法などを検討できる場合があります。
「湿布を使っているけれどなかなか良くならない」「肘の痛みが繰り返している」という方も、原因を確認することから始めてみましょう。
まとめ|肘の痛みが長引く場合は原因を確認しましょう
肘の痛みにはさまざまな原因がありますが、痛む場所や症状は原因を考える手がかりになります。
代表的には、
肘の外側の痛み → テニス肘
肘の内側の痛み → ゴルフ肘
肘の後ろの腫れ → 肘頭滑液包炎
などがあります。
ただし、痛む場所だけで病気を判断することはできません。
「肘が痛いけれどなかなか治らない」「物を持つと痛い」「肘が腫れている」といった症状が続いている場合は、原因を確認し、状態に合った治療を受けることが大切です。
札幌中央整形外科クリニックでは、肘の痛みの原因を評価し、症状や経過に合わせた治療をご提案しています。肘の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。